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オープンデザイン

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オープンデザイン」という本を、今半分ほど読み進めています.
これは、デジタルファブリケーションをベースにモノ作りやデザイナーのあり方が変わるという事を説いた本です.この手の論評は最近の3Dプリンターブームと相まって色々とありますが、オランダの執筆者を中心に一歩踏み込んだ議論がなされているのがこの本の特徴で、たんなるお祭り騒ぎではなく、その後のムーブメントとしての定着を見越した骨太な内容になっています.

NHKのドラマの「あまちゃん」は殆ど見ていなかったのですが、たまたま見ていた際に古田新太さんが「プロでもなく、素人でもないアマチュアが素晴らしい」という主旨の台詞を話していました.
デジタルの世界では、DTPの出現以降プロと素人の境界であるアマチュアの占める割合が非常に重要になっています.フォトショップやイラストレーターなどの画像編集ソフトや、動画編集ソフト、ハイビジョン撮影できるカメラ、音楽制作ソフト、ボーカロイドなど機材、ソフト面ではプロと素人の差がなくなり、アマチュアの層が厚くなっています.そのアマチュア層が、高いクリエイションを下支えしていますし、プロとアマチュアの境も曖昧になってきています.
プロダクトの世界でも、3Dプリンターのブームや無料の3DCADなど下地が出来つつあるように感じます.
今後モノ作りのアマチュアが、単なるDIYではないプロに近い所で活躍する場面が増えてくると思います.

しかし、この本にあるように著作権の問題や、どのようなエコシステムが成立するか不明なところなど、色々と解決しなければいけない課題も山積しています.
また、あまりこういう場では議論されていないように感じて居ますが、品質管理の問題も大きいと思っています.

例えば、無料で設計図を公開したプロダクトに明らかに設計ミスがあり、それでケガをした場合にどうなるのか?同じ3Dプリンターでも、機種や製造方法、材料によっては交差や摩擦の関係で組み立てが出来なかったりなど、思いつくだけでも色々とあります.
ただ、だからダメなのではなく、新しいシステムをどう構築するかがポイントになると思います.
そういう、経験値の蓄積が今後必要になってくるのでしょう、、、

大学の設備なども利用しつつ、何かフォローをしていきたいと思っています.

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ねぶた制作

1年生向けのワークショップの佳境、ねぶた制作をしました.

これは、大学の1年生全学科を混ぜたチームを作り、それぞれが無着色のねぶたを制作するというもの.
今年のテーマは「Map」で、それをベースに色々と考えて制作します.

私の担当するチームが選んだモチーフは「鬼瓦」です.スケッチを元に1/10の粘土モデル、内部の木組みの構造モデルなど、下準備を夏休み中に学生達で行いました.
ねぶた制作直前の一週間を韓国のワークショップで不在にしており、学生達の進捗を見ることは出来ませんでしたが、かなり自主的に集まって自分たちで課題解決を行っていました.


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ワークショップなので、あまり教員が主体にはならないようにしました.こちらからは具体的な指示は出さず、TA(ティーチングアシスタント)の二回生や、学生達のリーダーと話をして場を動かすようにしていました.
途中色々と問題は発生しましたが、結構な割合で学生達が自主的に話し合って解決していったので、こちらは伴奏者として、見守る程度でたまに助言をする程度で済みました.
とはいえ、最後のクオリティの部分で息切れしてきたりと、ファシリテーションの難しさを感じるワークショップでした.

ともあれ、ほぼ学生達のみで高さ4mに近いここまで大きなねぶたを完成させたのは素晴らしいことです.完成したねぶたは1週間展示して9月末に解体をしました.
この経験を、彼らの大学生活にどのように活かしていってくれるのか楽しみです.


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